グミちゃんが小学校に行き出してから三ヶ月。
どんな学校生活を送っているのでしょう?
さあて今回のおてがみは?
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サンタさん、お元気ですか?
トナカイさんも元気ですか?
今日も学校のおはなしを書くから読んでね。
学校に行き出してから3ヶ月が経ちました。
だいぶ慣れてきたけれど、あんまり楽しくありません。
朝、トシオにいちゃんと学校に行く時も、
「ちぇ・・つまんないなあ・・」って
下を向いてとぼとぼ歩いています。
「学校楽しいやろ?お友達もたくさんいるし」
ってお母さんは言うんだけど、全然です。
だってグミにはまだお友達ができないからです。
グミは家ではぺちゃくちゃおしゃべりなんだけど、
学校に行くと急に体がこわばってしまって
誰ともおしゃべりできなくなるのです。
女の子が「あそぼ」って言ってくれても、
グミはドキドキしてだまって頭を振るだけなので、
「あかんわ。他の子とあそぼ」
って、どっか逃げていってしまいます。
ほんとうは、一緒に遊んでみたいのに。
一緒におはなししたいのに。
「そういうのを内弁慶って言うねんで。
家ではおしゃべりやのに、外に出たら
しょぼーんとおとなしくなって。
だれとでも仲良くおしゃべりできなあかんよ」
ってお母さんは言うんだけど、
そんなふうには出来ません。
だから学校に行ってもグミはひとりでぽつんと座っています。
この間なんか、男の子たちが、
「お前いっつもひとりぼっちやな。
誰も遊ぶやついてへんのやろ。やーいやーい」
って言うので、グミは悲しくなって泣いてしまいました。
「わーい、泣き虫毛虫」
男の子たちはおもしろがってもっとからかうので、
グミは声をあげて泣きそうになりました。
すると、
「うわ〜ん!!」
と泣く声がしました。
びっくりして見ると、隣の席の男の子でした。
「お前も泣き虫やな。男のくせに。やーいやーい」
いじめっ子の男の子達は大喜びです。
隣の泣き虫の男の子は、もう涙がとまらないみたいで、
ずーっと泣き続けています。
さっきまで泣いていたグミはびっくりして、
泣くどころではなくなりました。
「グミより泣き虫さんがいる・・」
いつまでもえんえん泣いている男の子の顔を、
グミはあんぐり口をあけて見ていました。

その男の子は「ツヨシ」くんと言います。
「ツヨシじゃなくて、『ヨワシ』やなあ」
って言おうと思ったけど、黙っていました。
だって、ツヨシくんは、ちょっとしたことでも
簡単にえんえん泣いてしまうからです。
この間も、机のふたを閉める時、指をはさんだからといって
わんわん泣いていたし、
クレヨンが折れたと言って泣くし、
雨が降っても、学校の前でカラスがいたぐらいでも泣きます。
「すごいなあ、ツヨシくんは。
グミはそこまで涙を持ってないよ」
って思います。
でも何だかかわいそうになって、グミはおはなしするようになりました。
ツヨシくんもグミのことがきらいじゃないみたいで、
グミが話しかけると、泣いてる時でもおはなししてくれます。
この間も、授業の時にツヨシくんの教科書に
ブーフーウーのブタさんの絵をらくがきしたら、
「こっちにも描いて」
って、ノートを出してきました。
グミは嬉しくなって、ツヨシくんのノートにも描いてあげました。
喜ぶのかと思ったら、ツヨシくんは「わ〜ん」と泣いて、
「ブーフーウー大好きやねん・・うううう・・・」
と、また泣き出しました。
ツヨシくんは悲しくても嬉しくても泣くのです。
「また描いてあげるね。」
って言ったら、ツヨシくんは、もっと大きな声で、
「うわ〜ん」と泣きました。
でも、嬉しくて泣いてるのを知らない山根先生に、
「青田さん?お友達を泣かせたらダメですよぉ」
って叱られました。
ちがうのに!
今度はグミのほうが泣きたくなりました。
サンタさん、またツヨシくんのおはなしするから読んでね。
じゃあ今日はこれで終わります。
おやすみなさい。
昭和36年7月1日
青田グミ