舞台は昭和36年。関西のとある小さな町・くすの木町。
町の商店街で小さな自転車屋さんを営む両親と、5歳年上のトシオにいちゃん、生まれたばかりの弟マコトに囲まれ、のんびり育つ6歳の少女グミちゃんがこのお話の主人公です。私の子供時代の思い出をベースに作り始めたのは今から3年前。お話と立体、最近はイラストもまじえてコツコツと作り続けています。
日本海に面した福井県小浜市。昭和36年にそこで私は生まれました。
夫婦で始めた自転車店がまだ軌道に乗らず、朝から夜中まで必死で働いていた両親と、小学生の時から店を手伝っていた5歳年上の兄。そして私。まさに家族総出で商売をやっていました。
しかし家の中は家族だけではなく、お客さんや近所の人や親戚の人たちが集まり、それはそれはにぎやかでした。泣いたり笑ったり怒ったり喧嘩したり。両親はそんな人たちを、「みんなうちの家族や」と言っていました。
忙しい親に代わって何かと面倒を見てくれた近所や親戚の人、そしてお店のお客さんたち。みんな自分の子と同じように可愛がり、叱り、病気になった時は「かわいそうに」と泣いてくれました。あのあたたかい、優しいまなざし。それは一生の宝物として、今も私を支えてくれています。
私は多くの人たちからもらったそのまなざしを、今度はこの作品の主人公であるグミちゃんと、そして舞台のくすの木町の人たちに注ぎ、これからもずっとぬくもりのある作品を作っていきたいと思っています。
そのまなざしが、今度は作品を見てくださる方たちに伝わり、それがどこまでも広がっていきますように。
いつの間にか、そんなあたたかいまなざしの人たちで世の中がいっぱいになりますように。
・・そんなことを夢見ながら、今日もこつこつと机に向かって作り続けています。
これからもグミちゃんともども、どうぞよろしくお願い申し上げます。
● 登場人物紹介

青田グミ(6歳)この作品の主人公。くすの木小学校一年生。はずかしがり屋で、甘えんぼで、学校ではおとなしくて、いつもぼーっと考え事をしている、でも家ではおしゃべりで、よくいたずらをしてはおかあさんにしかられている。口癖は「だって」と「ちぇ」。好きな食べ物はチョコレートと渡辺ジュースの素。

青田トシオ(11歳)グミちゃんのおにいちゃん。毎日日記をつけるような几帳面な性格で、面倒見もいいが、だらしないグミちゃんには厳しい。野球と汽車が大好き。鳩を飼っている。百科事典を買ってもらうのが夢。

青田トミオ(43歳)青田家の大黒柱。自転車屋さんを経営している。職人気質だが、グミちゃんには甘い。ときどきとんちんかんなことをいう。口癖は「ほー!」と「なんとまぁ!」

青田アサ子(33歳)仕事に家事に、とにかく元気なグミちゃんのおかあさん。世話好きで、困っている人を見るとほっておけない性格。でも口は悪い。
青田マコト(0歳)
まだ生まれたばっかりの赤ちゃん。

オッサン(0歳?)グミちゃんが拾ってきた犬。おかあさん犬が保健所に連れて行かれたために、青田家で飼われるようになった。トシオにいちゃんによって「オッサン」と命名される。
